おか目八目 02.04.01 「繁盛衣料店に学ぶ」 |
![]() 参加の皆さんと・・・ 前列中央が筆者 ![]() 車中で解説される森先生 ![]() ↑↓暮らしの衣料ながい様 ![]() ![]() ↑↓衣料のミスギヤ様 ![]() ![]() ↑↓ファッションプラザおかだ様 ![]() |
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★「ホワード六適塾」のクリニックから ホワードの大阪本社が主宰している衣料品店経営の勉強会「六適塾」の3月は、奈良県近郊のお得意先様4店をクリニックさせて頂きました。講師はモリ店舗設計代表の森 勉先生、バス一台に31名というメンバーでした。 参加者は二世の方が多く、見学の感想を車内のマイクでしゃべってもらいました。気がついたことは、去年の第1回と比べ、格段に目のつけどころが広く、深く、そして細かいところもよく観察されるようになったことです。 今回は同じ商圏の競合店を比較する時間はありませんでしたが、皆さんがおやりになるときは、できればストアコンパリゾンをしてください。特に話題になっている店舗と同業を見学し比較すること、そして繁盛の度合いを通じて時代の流れを知り、自店の戦略を立てることが大そう重要です。 ★それぞれのお店から学んだこと 1.奈良県都祁村「暮らしの衣料 ながい」様 行政人口6800人という過疎の地域でありながら、かっては180坪で年間4億円近くもお売りになった模範店。今は130坪に圧縮されましたが、ファッション商品の比率を高められ、季節感の演出も抜群でした。ランジェリーや肌着についても、今の傾向の色物や柄物を広げて商品の正面を見せるハンガー吊りという斬新な陳列でした。 店内の商品分類、整理・整頓が大そう行き届き、かつテーマ、テーストが明確であり、縫いぐるみ人形などの小道具も適所に配し、とても楽しい売場でした。 2.「パーティーハウス天理店」様 本体の「オークワ」さんは和歌山、奈良、三重、南大阪に119店という東証一部上場の南近畿トップのチェーンストアです。総合衣料店も23店を展開され、このお店は最大の規模です。売場1000坪、天井高4m余り、靴下、ブラジャーも天井近くまで縦にカラーコントロールされ、まさに圧巻でした。 店内には専門店のほか、89円・100円ショップも導入されており、業種店から一歩進んだ業態店への時代の流れが感じられました。 これくらいの規模になると、大ていは本部マーチャンダイジングのため、品揃えのキメの細かさに欠けやすいです。しかし、このお店は私どものようなファーストアパレル問屋をうまく活用し、商品力を強化しておられました。 3.郡山市「衣料のミスギヤ」様 先ず驚いたのは店名と並んで「安売り研究所」と、大きな看板が出ていたことです。売場は120坪ですが、ともかく店頭、店内に安さがいっぱい、そしてお客様もいっぱいでした。午後の2時前でしたが、その日のレジの客数はすでに500を超えているとのこと。 お隣りが「コープ」のSMですが、その駐車場の敷地にプレハブ店舗という軽装備のお店です。だからこそ経費率も低く、安く売れると感じました。 普通は、SMにこられたお客を衣料品店が頂戴することが多いのですが、ここでは「コープ」さんの方が「ミスギヤ」さんの集客を期待されているらしいです。 4.奈良県生駒郡斑鳩「ファッションプラザ おかだ」様 売場170坪という、現時点では典型的な「暮らしの衣料」の標準店。近々のうちに 県下の似かよった立地に出店をされるとか。キメの細かい品揃え、行き届いた分類整理の中に、親しみやすい陳列が印象的でした。 その他このお店の特によかった点は、2階への誘導階段でした。2階の40坪は寝具売場になっていましたが、直線でなくアールをとった昇りやすい階段。5段ばかり上がった踊り場からは1階のすべての売り場が見渡せ、さらに10段ばかり上がった次の踊り場でからは2階の売場全体が目に入るというすばらしい設計でした。 ★今回のクリニックで感じたこと バスの中では時間がなく私の意見は言えませんでした。そこで参加者とこの読者さんに次のようにまとめてみました。 1.「将来あるべき姿」を想定した戦略を立てること。 将来が予測できない激しい変化の時代なればこそ、その時点での「最終到達系」を常に目指すことが肝心と思います。 「しまむら」さんはかつて大店法による規模制限の緩和を見越し、早くから店舗面積の500uを1000uにする対策を立てていました。また新しいタイプの「アベイル」、「バースディ」、「シャンブル」の新規出店、そして台湾へも進出しています。長期的視野は中小店も大いに見習うべきと思います。 2.大きくなった適正規模に対応を。 1991年に対し、10年後の2001年の全国小売面積は約60%も増えています。それに対し全国の売上高の伸びはせいぜい2〜3%です。限られた購買力が広くなった面積で薄められたことになります。商品のアイテム数は多くなり、単価は輸入品の増加もあって格段に下がりました。高効率売場を目ざすよりも規模の拡大が重要です。 今の段階では「暮らしの衣料店」での繁盛店の標準規模は店内180坪、店頭50坪を合わせて230坪というところでしょうか。もちろんマーチャンダイジング力のあるお店はより大きい規模を目ざすべきです。「しまむら」さんとは今の段階で、この規模なら互角かそれ以上に戦えるでしょう。 3.安く売れる体質をつくること。 「ウオルマート」が「西友」と提携して日本へ本格的に進出することが話題になっています。この「ウオルマート」の強さは、大そう効率のよい売上高対経費率、つまり16%という低さです。ちなみに日本のスパーストアの殆どは20%を越え、株式公開企業の平均は22.6%となっています。 衣料品の場合は専門性によって高くなる傾向が顕著で、専門店では40%台です。「しまむら」さんの場合は21.07%(01年2月期)で実に立派な数字です。 4.不動産費を低く押さえる工夫を。 新店を出す場合、「どれくらいの家賃なら採算が取れるか」がきわめて重要です。大阪の心斎橋筋では店舗の入れ替わりが非常に激しいですが、高い家賃の結果です。ご存知のSCでもそういう傾向が強いでしょう。 不動産費というのは、家賃、共益費、保証金・敷金の金利、土地・建物購入費の金利(金利はおおむね8%として計算)、と償却費です。この5倍の荒利益が出ること、つまり不動産費が20%が理想で、25%を超えるとなかなか採算に乗りません。破綻した大手の小売業のそれは、何れも40%を超えていました。 出店前に売上予測を立てるとともに、この計算をしっかりしておくことです。 |